西洋占星術初級講座(10)木星が示す幸運と恵まれやすい分野

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旧サイトでは初級講座の(9)で更新ストップし、長らく放置してしまいました。申し訳ありません。

新たなサイトで再開する占星術講座のこの記事ではまず、今まで触れてこなかった木星についてご説明したいと思います。


木星は12年に一度の幸運を運ぶ

木星の軌道周期は約12年です。

約12年で黄道上を一周すること(つまり一年ごと一サインに留まる)と、幸運を表す惑星であることから、この木星が入っているサインを「幸運期」として読む手法がポピュラーとなっています。

雑誌などで毎年見かける「〇〇座は12年に一度の大幸運期!」といった心躍る記事は、木星がその年の夏にそのサインに入ることを根拠として書かれています。もちろん、この〇〇座とは人の出生時の太陽サインのことです。


「木星と太陽が正確な0度(合)とならなければ全く意味がない」

とお怒りになる占星術家の先生もいるのですが、太陽と木星が近付けばそれだけ太陽という感受点のエネルギーが増すことは確かです。

つまり、普段より地上で生きるための力がアップすることになります。他サインに木星があるよりは自分が生まれた時の太陽サインに木星があったほうが活力が湧くはずです。12年に一度のお祭りだと思って、「幸運期」という言葉を楽しい気分で受け止めたほうが心地良く過ごせると思います。

ただし、過大な期待は禁物です。

木星は「楽観」も表し、木星が巡って来た時は気が大きくなるために細かい点を無視しがちとなります。

最も盛んな時にこそマイナス要素が生じているので注意しなければならない――とは東洋の思想なのですが(→参照・陰陽思想)、全くその通りで、木星が巡って来る幸運期こそ次の12年を左右すると思い気を引き締めて物事に取り組むべきと言えます。


もう少し正確に解説すると、木星は「拡大」「膨張」の意味となります。

太陽は「今世を照らす光」。今世の課題であると同時に、地上で生きるため借りている肉体の運命エネルギーを表しています。木星が出生時の太陽へ近付くとこの運命エネルギーが拡大・膨張しますので、当然ながら生きる活力が湧くと考えられるわけです。

ただ太陽がもともと弱い位置にあるか、困難アスペクトを多く持つ場合、木星による発展も抑えられると思います。

逆に火星などと太陽が0度で生まれた方は、行き過ぎた活動力がミスを招く可能性も考えられるでしょう。

このため、やはり一概に「ラッキー」とだけは言えないことになります。もし正確に幸運期を知りたいなら、個人の出生ホロスコープごとに読む必要があります。



木星が出生ホロスコープで重要視されない理由

このように木星は、一般的に幸運期を読むために使われることがほとんどです。

出生時のホロスコープ(ネイタルチャート)の分析では、あまり重要視されていないのが実情と思います。

その証拠に、占星術ジャンルで土星だけに着目した書籍は出版されていますが、木星だけに着目した日本語の書籍は今のところないように思います。書籍販売のサイトで「木星」と検索しても、他ジャンルの占い本ばかりヒットするのではないでしょうか。


何故あまり木星が重視されていないのかと言うと、近代の占星術は心理学と結び付き、ネガティブ分析ばかりへ流れてしまったからではないかと思います。

心理学は心の病を治すことを目的として生まれた学問分野です。当然ながら治療のためには、病の原因となった障害を分析することが第一となります。そんな心理学を導入した近代占星術が、ネガティブな障害を表す土星や火星を優先するようになったのは当然でしょう。

昔の人たちが好んだ「幸運」「成功」をもたらす木星は、今では雑誌占いで素人向けの「ラッキーお守り」としての役目しか持たなくなってしまったようです。

庶民が飛びつく「ラッキー」な話ばかりする占星術家は低俗でカッコ悪く、学術的な雰囲気のある心理占星術で土星を分析していたほうがカッコ良い、というイメージのせいもあるかもしれません。


木星があまり重要視されなくなった理由としてもう一つ、人生ストーリーを表す惑星としても扱いづらいことが挙げられるでしょうか。

旧サイトで私も土星より地球に近い木星を飛ばし、土星の説明から先に終えてしまいました。これは人の出生ホロスコープを読む時の「ストーリー」として土星を先に抑えたほうが分かりやすいからです。


木星は人生の起承転結で言えば「承」の過程に当たります。

年齢域は45歳~55歳。

実は脂の乗り切った年齢です。ということは人生が最も盛り上がる発展の時を表すのですが、太陽からの流れとして上昇する「承」であるため、アドバイスのポイントとして話しづらいわけです。

占星術師も鑑定でホロスコープの全てを説明する時間はありません。ポイントだけ抜粋するとしたらやはり月や太陽、MCまたは土星などを優先して語ることになるのではないでしょうか。



恵まれる分野を木星で読み解く

では木星は、出生ホロスコープ分析では“使えない”惑星なのか?

そんなことはありません。木星が目立つアスペクトを形成している場合はもちろん、ノーアスペクトでも木星の位置によってその人が恩恵を受ける分野・活躍しやすい場所を読み解くことができます。

木星のエネルギーはかなり強力です。出生ホロスコープ上の木星の位置が現実へ影響しているケースを私は多々目撃しています。


ここに出生ホロスコープ上の木星の位置で分かる、「恵まれる分野」を大まかに書いておきます。

ハウスを出す手法を選択しない人も多いと思うので、四分割で説明してみます。当然ながら、ASC・DSC・MC・ICに近いほど影響力がダイレクトに表れます。

また、全て強力な困難アスペクトがないか、あっても安易アスペクトで釣り合いが取れている場合ですのでご了解ください。


ホロスコープ左下

ASCと合または直下に木星がある場合、プライベートな世界が充実しやすいと言えます。生まれつき愛情に恵まれており過保護に育つことも多いようです。そのために自己肯定感が強くなります。マイペースで周りが見えなくなる人もいますが、気楽な性質が身近な人たちに愛されるはず。ASCから30度ほど離れた位置(第2室)に木星がある場合は経済的に成功しやすくなります。ASCとICの中間に木星があれば、プライベートの友人や兄弟に恵まれ、孤独を感じることは少ないでしょう。


ホロスコープ右下

ICと合またはすぐ右に木星があれば、家系や伝統文化からの恩恵を受けやすくなります。伝統文化を受け継ぎ、その道で生きることになる人もいるでしょう。他に強い感受点がなければ家・国家に対する愛が膨らみ歯止めがきかなくなるか、外界に関心がなくなり引き篭もる場合もあります。ICから30度ほど離れた位置にあれば趣味の世界が充実するでしょう。娯楽にはまり過ぎる傾向があるため慎まなければなりません。ICとDSCの中間に木星があると、体力に自信があり健康的に過ごすことができます。


ホロスコープ右上

DSCと合、またはすぐ上に木星がある人は結婚相手や、社会に出た後の対人関係に恵まれやすくなります。人が人を呼び、気付けば膨大な人脈が出来ていたということになりそうです。またその人脈から思わぬ恩恵を受ける可能性が高くなります。DSCから30度離れた位置に木星があれば、結婚後に人生が飛躍しやすく、予想外の遺産を受けることもあります。MCの手前に木星がある人は自由主義で遠大な夢を持ち、狭い場所に閉じ籠もるのは苦手となります。このような人は海外で成功しやすいでしょう。


ホロスコープ左上

MCと合またはすぐ左に木星があれば(木星カルミネートです)社会的に成功しやすいでしょう。名声を得やすく、予想外の人気を得る可能性があります。ただ爆発的に人気が膨らみコントロールできないこともあり、世評に振り回されがちです。MCから30度離れた位置に木星があれば、同じ趣味や同じ志を持つ支援者からの恩恵を受けやすくなります。同じ考えの人々を集めてコミュニティを主催すると発展しやすいと言えます。ASCの上に木星がある場合、未知の分野で成功しやすく、苦難の時も救済があるでしょう。



吉野圭 著 http://fo.kslabo.work/


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吉野圭 -Yoshino Kei-

専業の占星術師ではありません。退行催眠で得た前世記憶をもとに、占星術で前世を照合する方法を調べています。詳しくは「このサイトについて」にて。著書は小説『我傍に立つ』『僕が見つけた前世』他 amazon出版中。